会社員を辞めた後、私の収入は大きく減りました。
アフィリエイト収入は月に数千円ほど。
1万円に届かない月が続き、売上がゼロの月もありました。
一方で、生活費や住宅ローン、税金、年金、保険料は待ってくれません。
収入は不安定なのに、毎月決まった金額が口座から引き落とされていきます。
そこで私は、
すぐに収入を増やせないなら、まずは支出を減らさなければならない
と考えるようになりました。
そのとき、初めて真剣に見直したものの一つが、民間の医療保険とがん保険です。
会社員時代の私は、お金についてほとんど勉強していませんでした。
保険へ加入していても、
- どのような場合に給付金を受け取れるのか
- 公的医療保険でどこまで負担が抑えられるのか
- 毎月の保険料を合計するといくらになるのか
- 本当に今の自分と家族に必要な保障なのか
を深く考えたことがありませんでした。
脱サラ後にお金を学び直した結果、私は加入していた医療保険とがん保険を、自分には必要性が低いと判断して解約しました。
ただし、この記事は、
医療保険やがん保険は誰にとっても不要
とお伝えするものではありません。
保険の必要性は、貯蓄、家族構成、健康状態、働き方、公的保障などによって異なります。
この記事では、私がなぜ保険を見直すようになり、何を考えて解約したのかを、個人の体験として紹介します。
会社員時代は保険料を固定費として意識していなかった
会社員時代も、毎月保険料を支払っていました。
もちろん、口座から引き落とされていることは分かっています。
それでも、給料が毎月入っていたため、保険料を大きな問題として考えていませんでした。
保険料が引かれても、翌月にはまた給料が入ります。
生活費も住宅ローンも、給料の範囲内で何とか支払えていました。
そのため、
「この保険は現在の自分に必要なのか」
「保険料を何年支払うことになるのか」
「支払った総額に対して、どのような保障を得られるのか」
まで確認していなかったのです。
今振り返ると、保険の内容を理解して選んだというより、
病気になったら不安だから、保険へ入っておいた方が安心だろう
周りの同僚も結構入っているし、自分も加入しておいた方がいいのかもしれない
自分だけ入っていないのは、社会人としておかしいのかな
という感覚の方が強かったと思います。
安心を得るために保険料を払っている。
それだけで、自分はきちんと将来へ備えているような気になっていました。
脱サラ後は毎月の固定費が重く感じるようになった
会社を辞めた後、収入は安定しませんでした。
会社員時代は毎月決まった日に給料が振り込まれていましたが、ブログやアフィリエイトでは、どれだけ作業しても売上が発生しない月があります。
収入が少ない月でも、固定費は同じように必要です。
- 住宅ローン
- 通信費
- 保険料
- サーバーやドメインなどの事業費
- 税金
- 年金
- 日々の生活費
こうした支払いによって、貯金は少しずつ減っていきました。
会社員時代には、それほど気にならなかった数千円の固定費も、収入がほとんどない状態では重く感じます。
仮に月5,000円であれば、年間では6万円です。
10年間続けば、単純計算で60万円になります。
一度きりの買い物であれば、その場で必要性を考えます。
しかし、毎月自動的に引き落とされる固定費は、契約していること自体を忘れがちです。
私は脱サラ後になって、初めて、
毎月の小さな支出ほど、長期間では大きくなる
と意識するようになりました。
収入が安定する前に会社を辞め、住民税や年金などの負担に驚いた経験については、次の記事で詳しく紹介しています。

固定費を減らすためにお金の勉強を始めた
脱サラ後、思うように稼げなかった私は、お金について学び始めました。
目的は、最初から資産を大きく増やすことではありません。
まずは、家計から出ていくお金を減らすためでした。
YouTubeや書籍を通じて、
- 税金
- 社会保険
- 確定申告
- 保険
- 通信費
- 投資
- NISA
- 家計管理
などを勉強しました。
そこで知ったのが、公的保険と民間保険の違いです。
日本には、健康保険や国民健康保険などの公的医療保険があります。
一方、保険会社と契約して任意で加入する医療保険やがん保険は、公的保障だけでは不安な部分を補うためのものです。
金融庁も、民間保険は公的保険を補完する面があるため、まず公的保険の内容を理解し、そのうえで必要に応じて加入することが重要だと案内しています。
それまでの私は、
病気への備え=民間保険へ加入すること
くらいに考えていました。
しかし実際には、最初に公的保障の内容を確認し、それだけでは対応できない部分を民間保険で補うという考え方があります。
私は、その順番をほとんど理解していませんでした。
高額な医療費には公的な負担軽減制度があると知った
お金を勉強する中で、高額療養費制度についても知りました。
高額療養費制度は、1か月に医療機関や薬局で支払った医療費の自己負担が、年齢や所得に応じた限度額を超えた場合に、その超えた分が支給される仕組みです。
私は、それまで、
「大きな病気になれば、医療費を際限なく自分で支払わなければならない」
ような漠然とした不安を持っていました。
しかし、公的医療保険には家計の負担を抑える仕組みがあります。
もちろん、医療に関するすべての費用が高額療養費制度の対象になるわけではありません。
例えば、
- 差額ベッド代
- 入院中の食事代
- 保険適用外の治療
- 先進医療の技術料
- 通院や入院に伴う交通費
- 働けない期間の生活費
などは、別に考える必要があります。
高額療養費制度も、年齢や所得、受診時期によって自己負担限度額が異なります。制度改正も行われるため、利用する際は最新の公式情報を確認する必要があります。
それでも、
民間保険へ入っていなければ、医療費をすべて自分で負担する
わけではないと知ったことは、私にとって大きな変化でした。
医療保険とがん保険を自分の家計に当てはめて考え直した
公的保険について学んだ後、加入していた医療保険とがん保険の内容を改めて確認しました。
そこで考えたのは、
「保険料が高いか安いか」
だけではありません。
- どのような場合に給付金を受け取れるのか
- 給付金はいくらなのか
- 何日以上の入院が対象なのか
- 手術や通院はどこまで対象になるのか
- 今後も保険料を支払い続けるのか
- 公的保障でどこまで対応できるのか
- 保険料として払う代わりに、自分でお金を残す方法はないか
を考えました。
私は、医療保険やがん保険そのものが悪いとは思っていません。
保険によって安心して暮らせる人もいます。
貯蓄が少なく、突然の医療費に対応できない人もいるでしょう。
家族の状況によっては、手厚い保障が必要な場合もあります。
一方、私の場合は、公的保障と自分の家計を確認した結果、毎月保険料を支払い続けるよりも、そのお金を家計に残す方を選びました。
そして、自分にとって必要性が低いと判断した医療保険とがん保険を解約しました。
解約した理由は保険料がもったいなかったからだけではない
保険を解約した理由は、
毎月の保険料を節約したかったから
だけではありません。
もちろん、収入が減っていたため、固定費を減らしたい気持ちはありました。
しかし、保険料を減らせるなら何でも解約すればよい、とは考えていません。
私が見直したのは、
何のためにお金を支払っているのか
という部分です。
保険料を支払うことで、自分では負担できない大きな損失へ備えられるなら、支払う意味があります。
一方で、公的保障や手元の資金で対応できると判断した部分に、長期間お金を払い続ける必要があるのか。
私はそこを考え直しました。
以前の私は、
「保険に入っていないと不安」
という感情で判断していました。
見直した後は、
- どのようなリスクへ備えるのか
- そのリスクが起きた場合、いくら必要なのか
- 公的保障でいくら軽減されるのか
- 自分でいくら負担できるのか
- 不足する部分だけを保険で補う必要があるか
という順番で考えるようになりました。
保険を解約しても病気のリスクがなくなるわけではない
保険を解約したからといって、病気になる可能性がなくなるわけではありません。
医療費が必要にならなくなるわけでもありません。
変わるのは、
保険会社へ保険料を支払って備えるか、自分で資金を残して備えるか
という方法です。
そのため、保険料を削減した金額をすべて娯楽や買い物へ使ってしまえば、備えをなくしただけになってしまいます。
民間保険を減らすのであれば、
- 当面の生活費
- 医療費に使える資金
- 働けない期間の生活費
- 家族が困らないためのお金
などを、別の形で準備する必要があります。
私は、保険を解約することと、何も備えないことは別だと考えています。
保険を解約すると元に戻せないことも確認した
保険を解約する際には、後から同じ状態へ戻せるとは限りません。
生命保険文化センターは、現在の生命保険を解約して新しい保険へ入り直す場合、年齢が上がることで保険料が高くなったり、健康状態によって新たに契約できなかったりする可能性があると説明しています。
また、一度解約した契約は元に戻せないため、慎重な判断が必要です。
これは保険を見直す際に、必ず考えておくべき点です。
現在は不要だと思っても、数年後に再び必要になる可能性があります。
そのとき、以前と同じ条件で加入できるとは限りません。
そのため私は、
保険料を減らしたいから、今日すぐ解約する
という考え方はおすすめしません。
まず契約内容を確認し、公的保障、家計、貯蓄、家族の状況を整理したうえで判断する必要があります。
すべての保険を一律に不要とは考えていない
私は、医療保険とがん保険を解約しました。
しかし、
「保険はすべて無駄」
「50代なら医療保険はいらない」
と考えているわけではありません。
保険は、発生する確率は高くなくても、起きたときに自分では負担しきれない損失へ備える手段です。
必要な保障は、人によって異なります。
例えば、
- 貯蓄がほとんどない
- 家計を支えている人が一人しかいない
- 子どもが小さい
- 住宅ローンが大きく残っている
- 自営業で働けない期間の収入保障がない
- 公的保障だけでは不安が残る
- 保険があることで精神的に安心できる
といった場合は、民間保険の必要性が高くなることもあるでしょう。
大切なのは、
保険へ入るか、入らないか
という二択ではありません。
自分が何に備えるため、毎月いくら支払っているのかを理解して選ぶことです。
スマートフォン料金も月7,000円台から見直した
保険以外にも、固定費を見直しました。
以前、私は大手携帯電話会社を利用し、スマートフォン料金として毎月7,000円ほど支払っていました。
妻と合わせれば15,000円弱
その後、料金の安い通信サービスを知り、現在は楽天モバイルを使っています。
私の利用状況では、月額料金が1,000円台に収まる月もあります。
通信会社を変更したことで、月に数千円の固定費を減らせました。
仮に毎月6,000円安くなれば、年間では7万2,000円です。
一度見直せば、その後は毎月自動的に支出が減ります。
食費を毎日数十円ずつ削るよりも、使っていない保険や高い通信費など、固定費を一度見直す方が、私には続けやすい方法でした。
固定費を減らす一方で仕事道具にはお金を使った
私は固定費を減らす一方で、有料の仕事道具にはお金を使うようになりました。
例えば、
- 新しいパソコン
- YouTube Premium
- クラウドストレージ
- 1Password
などです。
一見すると、
「保険料は節約するのに、サブスクにはお金を使うのか」
と思われるかもしれません。
しかし、私の中では矛盾していません。
判断基準は、
無料か有料かではなく、支払う金額以上の価値を得られるか
だからです。
仕事道具へお金を使うことで、
- 作業時間が短くなる
- ストレスが減る
- 情報収集量が増える
- データを守れる
- アカウントを安全に管理できる
- 将来の収入につながる可能性がある
と判断すれば課金します。
反対に、毎月支払っていても、自分にとって必要性が低いものは見直します。
価値を感じる仕事道具へお金を使うようになった理由については、次の記事で紹介しています。

私がお金を使うものと減らすものの基準
現在の私の考え方を整理すると、次のようになります。
| お金を使うもの | 見直すもの |
|---|---|
| 自分の時間を増やせる | 契約理由が曖昧 |
| 仕事の効率を上げられる | ほとんど使っていない |
| データやアカウントを守れる | 不安だけを理由に契約している |
| 将来の収入につながる可能性がある | 似たサービスと重複している |
| 自分では負担できない大きなリスクに備えられる | 公的保障や手元資金で対応可能と判断した |
| 支払う金額以上の価値を感じる | 支払額と得られる価値が合わない |
以前の私は、
お金を使わないことが節約
だと思っていました。
現在は、
価値の低い支出を減らし、価値の高いものへお金を使うこと
が大切だと考えています。
保険料を払う安心と現金を持つ安心を比べた
保険には、保障だけでなく安心感があります。
「もし病気になっても給付金がある」
と思えることで、不安が軽くなる人もいるでしょう。
一方で私の場合は、収入が不安定な状態で毎月保険料が引き落とされることにも不安を感じました。
保険料を払い続けて安心を得る方法。
その保険料を手元に残し、いつでも使えるお金を増やす方法。
私は両方を比較し、自分には後者の方が合っていると判断しました。
これは、どちらが絶対に正しいという話ではありません。
保険がある方が安心できる人もいます。
手元の資金が多い方が安心できる人もいます。
重要なのは、誰かが「必要」「不要」と言っているから決めるのではなく、自分の家計へ当てはめて考えることです。
50代で保険を見直すときに確認したいこと
50代になると、健康への不安が大きくなることがあります。
だからこそ、保険を見直す場合は、保険料の安さだけで判断しない方がよいと思います。
少なくとも、次の点は確認する必要があります。
現在の保障内容
保険証券や契約者向けページで、どのような場合に、いくら給付されるかを確認します。
加入したころの記憶だけで判断しないことが大切です。
毎月と将来の保険料
毎月の保険料だけでなく、今後も同じ金額なのか、年齢によって上がる可能性があるのかを確認します。
年間支払額や、今後10年間の概算も見ると、家計への影響が分かりやすくなります。
公的保険で受けられる保障
高額療養費制度をはじめ、公的医療保険でどこまで負担が抑えられるのかを確認します。
会社員、自営業者、退職後など、働き方によって利用できる保障や収入減少への備えが異なる場合もあります。
現在の貯蓄で対応できるか
保険を解約した後に医療費が必要になった場合、手元の資金で対応できるかを考えます。
生活費や教育費など、別の目的のお金まで医療費へ使うことにならないかも確認します。
家族への影響
自分が入院したり、長期間働けなくなったりしたとき、家族の生活へどのような影響があるかを考えます。
本人の医療費だけでなく、家族の生活費や収入減少も含めて判断する必要があります。
解約後に再加入できない可能性
健康状態や年齢によって、後から同じような保険へ加入できない可能性があります。
解約前に、このリスクも理解しておく必要があります。
保険の見直しは節約だけでなくお金を考えるきっかけになった
私が医療保険やがん保険を見直した最初の理由は、収入が減り、固定費を削減する必要があったからです。
しかし実際に保険を調べてみると、単なる節約では終わりませんでした。
- 自分は何に不安を感じているのか
- どのようなリスクなら自分で負担できるのか
- 家族にいくら残す必要があるのか
- 公的保障で何が受けられるのか
- 毎月のお金を何へ使いたいのか
を考えるきっかけになりました。
会社員時代の私は、保険へ入っていることで安心し、その内容を理解しようとしていませんでした。
脱サラ後に収入が減り、初めて一つひとつの契約と向き合いました。
お金を学び直したことは、その後のNISAによる資産形成にもつながりました。
信用取引やFXで失敗した私が、長期投資を始めるまでの経緯は、次の記事で紹介しています。

保険は「入っているから安心」で終わらせない
私は、加入していた医療保険とがん保険を解約しました。
解約したことを、すべての人に勧めるつもりはありません。
保険が必要な人もいます。
保険によって安心して生活できる人もいます。
一方で、
- 何のために加入したか分からない
- 保障内容を覚えていない
- 同じような保障が重複している
- 公的保障を確認したことがない
- 毎月いくら払っているか把握していない
という状態なら、一度内容を確認する価値はあると思います。
保険は、契約したら終わりではありません。
生活環境や働き方が変われば、必要な保障も変わる可能性があります。
会社員から個人事業主になった。
子どもが成長した。
住宅ローン残高が減った。
貯蓄額が変わった。
そのような節目で見直すことが必要です。
昔の自分へ伝えるなら、こう言います。
私は、保険を解約したことで正解を手に入れたわけではありません。
保険の必要性を自分で考えるようになったことに、大きな意味があったと思っています。