ブログで初めて発生した報酬は、今でもよく覚えています。
金額は約3,000円でした。
会社員として受け取る給料と比べれば、決して大きな金額ではありません。
外食をすればなくなる程度です。
しかし、その約3,000円は私にとって、会社から受け取る何万円、何十万円とはまったく違う価値を持っていました。
なぜなら、
会社の給料とは別に、自分の力でお金を稼げた
と初めて実感できたからです。
私はブログ未経験でした。
文章を書く仕事をしていたわけでもありません。
当時はTwitterと呼ばれていたSNSも、それまでほとんど使った経験がありませんでした。
そんな私が、見よう見まねでブログを作り、記事を書き、Twitterで紹介したところ、商品を購入してくれた人がいたのです。
報酬が発生したことを知った瞬間は、
「うそ!」
「やった!」
「自分で稼げた!」
という気持ちでした。
普段と同じ何気ない景色が、光り輝いて見えたことまで覚えています。
しかし、この初報酬は私に希望を与えると同時に、大きな判断ミスのきっかけにもなりました。
数回商品が売れたことで、
このまま続ければ、会社を辞めても稼げるようになる
と思ってしまったからです。
この記事では、ブログ未経験だった私に初報酬が発生した日のことと、そこから何を勘違いし、現在は初報酬をどのように考えているのかを紹介します。
ブログを始めるまで「ブログって何?」という状態だった
私がブログを始める前、テレビのニュースで、主婦がブログを使って月に何万円、何十万円と稼いでいるという話を見たことがありました。
当時の私は、
「そんな世界があるのか」
と思う一方で、
「てか、ブログって何?」
という程度の知識しかありませんでした。
今のように、ブログ、SNS、動画配信などを使って個人が収入を得ることが、私の周囲で広く知られていた時代でもありません。
少なくとも、私の身近にはブログで稼いでいる人はいませんでした。
会社員として働き、毎月給料を受け取る。
それ以外の方法で収入を得ることは、一部の特別な人にしかできないと思っていました。
それでも、インターネットでブログについて調べるうちに、
「自分にもできるかもしれない」
と考えるようになります。
ブログを作った経験もありません。
Twitterも未経験です。
SEOという言葉の意味も分かりません。
とりあえず、ほかの人がしていることをまねしながら始めました。
最初は100記事書けば稼げると思っていた
ブログを始めたころ、個人ブログなどで、
「まずは100記事書こう」
「100記事を超えたころから稼げるようになる」
という話を見ました。
私はそれを、かなり素直に信じました。
100記事なら書ける。
面白い出来事や過去の体験を書けば、読んだ人も楽しんでくれる。
記事数が増えれば、アクセスも自然に増える。
そんな単純なイメージを持っていました。
実際に書いていたのは、日常の出来事、昔の話、ちょっとした雑学、自分の意見などです。
酒の席なら誰かが笑ってくれるかもしれません。
しかし、検索してまで読みたい内容だったかと聞かれると、かなり怪しい記事でした。
そのころは、
- 誰の悩みを解決する記事なのか
- どのような言葉で検索されるのか
- 読者は何を知りたいのか
- どの商品を紹介するのか
- なぜ自分の記事から買うのか
といったことを、ほとんど考えていませんでした。
「100記事書けば稼げる」と信じて本当に100記事を書いた経験は、次の記事で詳しく紹介しています。

アフィリエイト広告を貼れば売れると思っていた
ブログで収入を得る方法を調べるうちに、アフィリエイトを知りました。
記事の中で商品やサービスを紹介し、読者が購入すると報酬を受け取れる仕組みです。
当時の私は、
「ブログに広告を貼れば商品が売れる」
くらいに考えていたと思います。
最初のころは、商品をよく知らないまま広告を掲載することもありました。
記事の内容と広告が合っているか。
その商品がどのような人に必要なのか。
読者がなぜ購入したいと思うのか。
そのようなことは、ほとんど分かっていませんでした。
当然、広告を貼っただけでは商品は売れません。
アクセス自体がほとんどないのですから、広告を見てくれる人もいません。
それでも、ブログやアフィリエイトを完全に諦めたわけではありませんでした。
分からないなりに記事を書き、Twitterにもブログ記事を投稿していました。
初報酬はGoogle検索ではなくTwitter経由だった
当時の私は、ブログで商品が売れるとすれば、Google検索から読者が来るのだと思っていました。
検索結果に自分の記事が表示される。
読者が記事を読む。
広告をクリックして商品を購入する。
それがブログで稼ぐ流れだと考えていたのです。
しかし、実際の初報酬はGoogle検索からではありませんでした。
当時のTwitterでブログ記事を紹介したところ、その投稿を見た人が記事を読み、商品を購入してくれたようです。
紹介していたのは、女性向けの美容商品でした。
私自身は男性です。
それまで美容商品の専門知識があったわけでもありません。
それでも、記事を読んで商品を購入してくれた人がいました。
初報酬が発生したこともうれしかったのですが、
自分がTwitterへ投稿した記事を、実際に誰かが読んでくれた
ということにも驚きました。
画面の向こう側に、本当に読者がいたのです。
初報酬を知ったのは子どもの習い事へ送った休日だった
初報酬が発生した日は休日でした。
午前中、子どもの習い事の送り迎えをしていたときだったと思います。
車を降りた後、スマートフォンに届いたメールを確認しました。
そこに、アフィリエイトの成果が発生したことを知らせる通知がありました。
最初は、何が起きたのか分かりませんでした。
メールの内容を何度か確認し、
「商品が売れた」
「報酬が発生した」
ということを理解しました。
その瞬間に出てきた気持ちは、とても単純です。
うそ!
やった!
自分で稼げた!
会社員として給料を受け取ったときとは、まったく違う感覚でした。
給料は、自分が働いた対価です。
もちろん、毎月の給料も自分の仕事によって得たお金です。
それでも、会社という組織の中で働き、決められた日に振り込まれる給料と、自分で作ったブログから発生した報酬は、私の中では別物でした。
誰かに命令されて書いた記事ではありません。
決められた勤務時間に作業したわけでもありません。
自分でブログを作り、自分で記事を書き、自分でTwitterへ投稿した。
その結果として、約3,000円が発生しました。
金額よりも、
という事実が、何よりもうれしかったのです。
普段と同じ景色が輝いて見えた
初報酬を知った後、家へ帰りました。
道路も、住宅も、車も、いつもと同じです。
特別な出来事が起きたようには見えません。
しかし、私には普段の景色が少し輝いて見えました。
「会社の給料以外にも、自分で収入を得られるんだ」
「この方法を続ければ、もっと稼げるかもしれない」
「会社に頼らなくても生きていけるかもしれない」
そんな可能性が、一気に目の前へ広がったからです。
約3,000円を稼いだだけで、大げさだと思われるかもしれません。
しかし、会社員として働く以外の選択肢をほとんど知らなかった私にとっては、世界の見え方が変わる出来事でした。
おそらく妻には、商品が売れたことを話したと思います。
自分が初めて得たブログ報酬を、誰かに伝えずにはいられなかったのでしょう。
初報酬は金額よりも可能性がうれしかった
初報酬が100円でも、1,000円でも、おそらく私は喜んでいたと思います。
うれしかったのは、約3,000円という金額そのものではありません。
ブログから収入が発生する仕組みを、自分で体験できたことです。
それまで、ブログで稼いでいる人の話を見ても、どこか現実感がありませんでした。
「本当にそんなことができるのか」
「一部の特別な人だけではないのか」
と思っていた部分があります。
しかし、実際に自分の成果画面へ数字が表示されました。
そこで初めて、
ブログから収入が発生するという話は、本当だった
と実感しました。
誰かの成功談を読むのと、自分で1件の成果を出すのとでは、まったく違います。
初報酬によって、自分にもできる可能性があると思えるようになりました。
1件売れた理由を十分に分析しなかった
初報酬が発生したとき、私はもっと冷静に、
- なぜこの記事が読まれたのか
- なぜTwitterから人が来たのか
- なぜその商品が購入されたのか
- どのような投稿に反応があったのか
- 同じ流れを再現できるのか
を分析すべきでした。
しかし、当時の私はそこまで考えませんでした。
「ブログを続ければ商品は売れる」
「作業時間を増やせば収入も増える」
「記事を増やせば、売上も増えていく」
という大きな期待へ、一気に進んでしまいました。
実際には、最初の商品が売れた経路はTwitterでした。
その後も、育毛関係の商品などがTwitter経由で売れたことがあります。
つまり、当時の私に成果が出ていたのは、Google検索よりSNSからの流入だったのです。
ところが私は、その勝ち筋を十分に分析せず、検索順位ばかりを追うようになりました。
企業サイトが並ぶ強いキーワードへ挑み、オールドドメインや小さなサイトの量産にも手を出しました。
目の前に小さな成果が出ていたのに、その理由を理解しようとせず、もっと大きく稼げそうな方法を追いかけていたのです。
企業サイトが並ぶ強いキーワードを狙い続けた失敗については、次の記事で紹介しています。

初報酬が脱サラへの気持ちを強くした
初報酬は、私に大きな自信を与えました。
さらに、その後も何件か商品が売れました。
一度だけの成果ではなかったことで、
これは偶然ではないかもしれない
と思うようになります。
会社員として働きながらでも商品が売れる。
それなら、会社を辞めてブログやSNSへ使える時間を増やせば、もっと収入を増やせる。
そう考えました。
初報酬から退職までは、おそらく半年ほどだったと思います。
今振り返れば、あまりにも早い判断です。
ブログ収入が安定していたわけではありません。
毎月の生活費をまかなえるほど稼いでいたわけでもありません。
税金や社会保険について調べていたわけでもありません。
それでも私は、
「時間さえ増えれば稼げる!」
と信じて会社を辞めました。
初報酬は、私に新しい可能性を見せてくれました。
同時に、その小さな成功を過大評価する原因にもなったのです。
収入が安定する前に会社を辞めた結果については、次の記事で詳しく紹介しています。

ブログ初報酬が出ても、稼げるようになったとは限らない
ブログを始めた人に初報酬が発生することは、大きな前進です。
ゼロだった収入が、初めて1円以上になる。
自分の記事を読み、その内容をきっかけに誰かが行動してくれた。
その経験には大きな価値があります。
ただし、1件の成果が発生したことと、安定して稼げるようになったことは別です。
初報酬が発生しても、次のことはまだ分かりません。
- 同じ成果を再現できるか
- 毎月継続して売れるか
- 広告案件が終了しても別の商品で稼げるか
- 検索順位が変わっても収入を維持できるか
- SNSの反応が落ちても集客できるか
- 経費を差し引いて利益が残るか
- 生活費をまかなえる水準まで増やせるか
私は初報酬を、
稼ぐ仕組みを一度体験できた
という段階ではなく、
これから安定して稼げることが証明された
という段階のように受け止めてしまいました。
その差は、とても大きかったです。
初報酬が出たときに確認したかったこと
現在の私が、ブログ初心者だったころの自分へ助言するなら、初報酬を喜んだ後に、次の点を確認させます。
どこから読者が来たのか
Google検索なのか。
SNSなのか。
別のサイトから紹介されたのか。
流入経路が分からなければ、同じ成果を再現しにくくなります。
私の場合はTwitterでした。
この事実を、もっと重く受け止めるべきでした。
どの記事から売れたのか
商品を紹介した記事が直接読まれたのか。
別の記事から内部リンクで移動してきたのか。
読者がどのような流れで商品へたどり着いたかを確認します。
なぜその商品が必要だったのか
読者がどのような悩みを持っていたのか。
記事内のどの情報が、購入判断に役立ったのか。
単に広告が目に入ったからではなく、購入した理由を考えることが重要です。
同じ条件で再現できるか
同じような記事を書けば、再び読者へ届けられるのか。
同じSNS投稿をすれば反応があるのか。
1件の成果を偶然で終わらせず、再現できる形へ近づけます。
売上ではなく利益が残るか
ブログ運営には、サーバー代、ドメイン代、有料ツールなどの費用もかかります。
報酬が発生しても、経費を差し引けば利益が残らないことがあります。
会社を辞める判断をするなら、売上ではなく、最終的に残る利益を見る必要があります。
初報酬を出すまでに記事数の正解はない
ブログ初心者のころは、
「何記事書けば初報酬が出ますか」
「何か月続ければ稼げますか」
という答えが欲しくなります。
私も、100記事という数字を信じました。
しかし、初報酬が発生するまでの記事数や期間に、全員共通の正解はありません。
扱うテーマが違います。
商品の価格も違います。
検索流入を狙うのか、SNSを使うのかも違います。
すでに専門知識や実績がある人と、まったくの未経験者でも違います。
記事数だけを増やしても、読者がいなければ商品は売れません。
反対に、記事数が少なくても、具体的な悩みを持つ人へ適切な記事を届けられれば、成果が発生することがあります。
私の初報酬も、検索上位の記事を大量に作れたからではありません。
Twitterへ投稿した記事が、商品を必要としていた人へ届いた結果でした。
初報酬はゴールではなく、最初の検証結果
初報酬が発生すると、
「自分にもできる」
と思えます。
これは、ブログを続けるうえで大きな力になります。
私も、初報酬がなければ会社を辞めようとまでは考えなかったかもしれません。
それほど、自分で稼いだ約3,000円には大きな意味がありました。
ただし、現在の私は、初報酬をゴールとは考えません。
初報酬は、
自分の記事、集客方法、商品紹介の組み合わせで、一度成果が出た
という最初の検証結果です。
次にするべきなのは、成功したことだけを喜ぶことではありません。
なぜ成果が出たのかを確認することです。
そして、同じ結果を繰り返せるのかを試します。
1件目の成果を2件、3件へ増やす。
一度売れた月だけでなく、複数月で成果を出す。
一つの広告案件が終了しても、別の方法で収入を得られる状態を作る。
そこまで進んで、ようやく安定した収入へ近づいていくのだと思います。
約3,000円が私の人生を動かした
私のブログ初報酬は、約3,000円でした。
休日、子どもの習い事へ送った後、スマートフォンへ届いたメールで成果を知りました。
その瞬間に感じた、
「自分で稼げた」
という喜びは、今でも覚えています。
普段と同じ景色が輝いて見えました。
会社員として働く以外にも、自分で収入を得る道があると初めて実感できたからです。
その約3,000円が、後の脱サラへつながりました。
結果的に私は、収入が安定する前に会社を辞め、多くの失敗を経験しました。
だからといって、初報酬が間違いだったわけではありません。
問題だったのは、初報酬の意味を私が正しく理解していなかったことです。
初報酬は、
これで生活できるという証明
ではありません。
自分の方法で、初めて一つの成果が出たという証明
です。
それでも、その一つの成果には大きな価値があります。
ゼロから1を作った経験は、自分にもできる可能性を教えてくれます。
ただし、その可能性だけで生活を大きく変える判断をしてはいけません。
昔の自分へ伝えるなら、こう言います。
約3,000円は、私の人生を動かしました。
そして現在は、その後にした失敗も含めて、誰かの役に立つ記事へ変えようとしています。